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カペタには負けないぞっ!
------サラリーマン親子のカートデビュー奮闘記------ |
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第一章 初秋の大事件
夏の終わりの中国道、晴れやかな涼風がサイドウインドウの隙間から頬と心を癒していた。
と、その時、我が家庭の将来を決める大事件が勃発したのであった!!
父、母、そして息子の三人家族は、全員モータースポーツが大好きで、その日もレース観戦の帰りであった。息子が突然、「父さん!僕、レーサーになりたい!レーサーはどうやったらなれるの??」と、楽しそうに話しかけてきた。
「最近のレーサーはカート上がりが多いから、カートを始めてフォーミュラ・トヨタとかからF3の選手になって、
その後はFニッポン、GT、F1とかと成ってゆくんじゃないかなぁー」
「カートって、前に父さんが話していてオートスポーツにも載ってるゴーカートの速いのでしょ〜?僕、カート
してみたい〜!」 と、息子にしては珍しく自己主張してきた。
しかし、「モータースポーツ=お金」との概念のある私は、頬つたう涼風をを忘れ、つい、「カートしてみたいー
って簡単に言うな。お金もかかるし、する所も限られているし、カート買って運ぶのだって置く所だって、いろいろ
考えなきゃならないことがいっぱいあるんだぞ!」と、小学校3年生の純粋無垢な夢に対し、悲しいまでのネガティブな言葉であった。
私が中学時代に親にねだったギターの真意(女にモテたい)とは、無限大に異なる純粋な息子の思いであることに気付き、こう付け加えた。「色々調べて見るから・・・」と。
自宅に帰りついた息子は、過去も雑誌のカート記事を幾冊も何度も眺めていた。息子が寝息を立て始めると、妻が私に話しかけてきた。「普通のサラリーマンの家がカートをすることができるの?」やはり、家計を預かる妻としては、気になるところであろう。
今になって思えば「案ずるより生むが安し」で、この時、ショップに相談すれば一番早い解決方法とは考える術もなかった。私は、明日インターネットで調べてみようと思ったのであった。また、資金のことはともかく、息子のカートへの思いの程が気になるところであり、その思いが一過性のものではない事を願い、穏やかな眠りについている息子の顔を眺めたのであった。
その枕もとには、カートの写真のついた頁を開いたままの雑誌が、願うかのごとく整然と置かれ、外からは
かすかに鈴虫が子守唄を歌っていた。
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